ディズニー映画「きつねと猟犬」

感動しました

 http://b.hatena.ne.jp/entry/http://business.nikkeibp.co.jp/article/tech/20071004/136800/
 はてブではてスタを恵んでくれと書いてみたら普段ありえないぐらいはてスタを貰ってしまい、感動しました。なんだかとても悪いので昔書いたmixiの日記を再構成してディズニー映画の紹介をしたいと思います。「なんか関係あるのか」と怒ってしまう方もいらっしゃるかもしれませんが、まあちょっとは関係ある話かもしれませんのでお付き合いくださるとうれしいです。

 「きつねと猟犬」、タイトル見ただけで話は大体予想がついてしまいますが、この制作陣を見たら皆さん驚いてAmazonでいきなり注文してしまうかもしれませんよ。

 (昔書いたものの再構成ですのでソースがあやふやです。間違ったことを書いてるかもしれませんので気づいた人は指摘お願いします。)

ディズニーになじめなかったティム・バートン

 ティムバートンはアニメーターとしていくつかのディズニーアニメの制作に関わっていました。また短編映画(「フランケンウィニー」、「ヴィンセント」)の監督も務めますが、ディズニー側は当時、「ディズニーの世界観とあわない」という理由でこれらの作品は公開はしませんでした。その後にティム・バートンは「共同作業が自分とはあわない」という理由でディズニーを退社してしまいます。

 ディズニーを退社した後、監督を務めた「バットマン」「シザーハンズ」でヒットを飛ばし、いよいよ自分がディズニー時代から温めていた企画「ナイトメアー・ビフォア・クリスマス」の製作しようとしましたが、企画の著作権がディズニーにあることが判明し、ディズニー映画として製作を始めました。
 ディズニー側は「ナイトメアー・ビフォア・クリスマス」をやはり素直なディズニー作品としてではなく、ディズニーの大人向け映画部門である「タッチストーンピクチャーズ」作品として公開しました。

 以上のことくらいはティム・バートンオタクなら知っていると思いますが、「きつねと猟犬」はディズニーになじめなかったティム・バートンがディズニー時代にアニメーターとして参加したアニメ映画でもあります。

ディズニーの危機に帰ってきた男ブラッド・バード

 そしてもうひとり、重要な人物がアニメーターとして参加しています。「アイアン・ジャイアント」(ワーナー制作・配給)「Mr.インクレディブル」「レミーのおいしいレストラン」(ディズニー配給、ピクサー制作)の監督、ブラットバードです。

 ブラットバードはディズニーには短い期間しかいませんでした。退職後はいろいろな仕事を転々とし、初監督映画作品「アイアン・ジャイアント」を製作します。この作品は批評家と日本のオタクたちに高評価を受けますが興行的には成功しなかったようです。

 その後「Mr.インクレディブル」の製作に移りましたが、ワーナーがアニメ部門を凍結してしまいます。

 このとき旧友のジョン・ラセター宮崎駿好きで有名ですね)に誘われブラッド・バードピクサーに雇用され、その下で「Mr.インクレディブル」が制作されます。

 そうです。オリジナルのディズニーアニメの興行成績が軒並み振るわず(日本では、2001年の「ふしぎの海のナディア」のパクリといわれてしまった「アトランティス 失われた帝国」、2002年の「21エモン」のパクリといわれてしまった「トレジャー・プラネット」等)、ディズニー映画部門がにっちもさっちもいかなくなって興行成績のよいピクサーを取り込もうとしているときに、ブラッド・バードがやってきたのです。

 このディズニーの危機にやってきた男も「きつねと猟犬」に関わっていたのです。

ディズニーの若手監督マーク・ディンダル

 他に「ラマになった王様」と「チキン・リトル」の監督、マーク・ディンダルも参加しています。

 えーと、この人はあんまり知らないです。すみません。

ディズニーを支えた古参のベテランが指揮

 また、ディズニー黄金時代を支えた古参のベテランが指揮をとったことでも有名です。
「白雪姫」「ワンワン物語」のフランク・トーマス
「白雪姫」、「ピーターパン」のオーリー・ジョンストン。
「眠れる森の美女」「王様の剣」のウーリー・ライザーマン。

 現在日本で問題になっている技術系会社での団塊の世代の大量退職に備えてベテランから技術を懸命に学んでいる若い方もたくさんいらっしゃると思います。この作品はディズニーにとってそのようなベテランから若い世代への技術伝承における重要な位置にある作品と言えるでしょう。

今になってみれば豪華制作陣!ですが…

 しかし、残念ながら興行的な成功には至らなかったようです。

 そして肝心な中身ですが、あえて苦言をいわせて貰うと、きつねのトッドと猟犬のコッパーそれぞれに焦点を合わせなければならないため、キャラクター描写がどちらももの足りなく思ってしまいました。

 しかし本来は子供向けの映画なのであまりしつこいキャラクター描写はいらないのかもしれません。絵はもうディズニーらしい実に綺麗な動きと背景ですし、そしてディズニー作品らしからぬ友情関係の壊れ方がすごくカッコよく展開されます。

要するに

 技術伝承とか世代間断絶と結びつけて書こうとしたけど、なんだか普通の映画スタッフ紹介になってしまいました。まあ各自この話から教訓なり、アフィリエイトのネタなりを勝手に読み取ってください。
 結論は「きつねと猟犬」、ディズニーの隠れた名作としてオススメということです。

追記2007-10-11

Amazonでこの映画の情報を見てみたら、なんとピクサーでバリバリ活躍しているジョン・ラセターもアニメーターとしてかかわっていたようですね。ますます豪華製作陣です!